データに転職する前に10年間、新聞記者をしていました。持っていった最も重要なものはExcelのスキルではなく、ストーリーの構造でした。
秘訣はこうです:説得力のあるデータプレゼンは、人を引き込むストーリーと同じ構造に従っています。その方法をお見せします。
多くのデータプレゼンの問題点
こんな構成になっています:
- データです
- さらにデータ
- 分析です
- さらにデータ
- 結論
これは情報の羅列であり、ナラティブではありません。注意を引こうとしているだけで、獲得していません。
ストーリーの仕組みと比較してみましょう:
- 設定:文脈と利害関係を確立する
- 緊張:問題や疑問を提示する
- 旅:複雑さと可能性を探る
- 解決:洞察やアクションにつなげる
同じ情報でも、体験はまったく違います。
データに応用する古典的ナラティブアーク
第1幕:フック(プレゼンの10%)
聴衆にとって重要なことで始めましょう。「四半期データをお見せします」ではなく、例えば:
- 「月に200万ドル失っています。理由はわかっていると思います」
- 「最も成長しているセグメントに問題があります」
- 「みんなXだと思っていますが、データはYを示しています」
フックで利害を明確にします。なぜ気にすべきか?どんな決定がかかっているか?
最初のチャートはフックを強化するものに——注目を集める一枚の印象的なビジュアルに。複雑なダッシュボードではなく。一図、一メッセージ。
第2幕:旅(プレゼンの70%)
ここでデータを掘り下げます。ただし「見たものを全部お見せします」というやり方ではなく。
旅を問いと答えの連続として構成します:
「そこで聞きました:200万ドルはどこへ?」
[カテゴリ別収益のチャート]
「それがカテゴリBを指していました。ではなぜ?」
[カテゴリBを分解したチャート]
「深掘りすると、パターンが見えてきました」
[問題の推移を示すトレンドチャート]
各チャートが一つの問いに答え、次の問いを生みます。これが推進力になります——聴衆は次が知りたくなります。
中盤では複雑になってもよい。ただし複雑さは、網羅性で感心させるのではなく、謎を解くことで正当化されます。
第3幕:解決(プレゼンの20%)
「ご質問は?」で終わらせないで。次のように締めくくります:
- 洞察:「問題はXで、原因はYです」
- 含意:「これに対処しないと、Zが起きます」
- アクション:「私の提案はこうです」
最後のチャートは「なるほど」の瞬間——すべてがつながるビジュアルに。多くの場合、シンプルなチャートです。旅が理解を築き、締めが報いを届けます。
データで効くナラティブの技法
技法1:対比
人は絶対値より違いをよく処理します。「売上は1000万ドル」ではなく、示すのは:
- 1000万 vs 目標
- 1000万 vs 昨年
- 1000万 vs 競合
対比が意味を作ります。「目標の20%上」はストーリーです。「1000万」は数字に過ぎません。
技法2:ズーム
広く始めて狭く、あるいは狭く始めて広く。
広→狭:「業界のトレンドです。当社のセクターです。当社です。問題を起こしているチームです」
狭→広:「1人の顧客が苦情を。次に10人。100人。これは顧客の問題ではなく、市場全体に影響する製品の問題です」
ズームが発見の感覚を作ります。聴衆はあなたと一緒にスケールを移動します。
技法3:驚き
期待を裏切る。「Xだと思うかもしれませんが、実はYです」
設定:「最も利益の出ている製品は…」
予想される答え:明らかなベストセラー
実際の答え:予想外の何か
驚きは記憶に残ります。聴衆を座らせます。ただし控えめに——何もかもが驚きなら、何も驚きではありません。
技法4:人の要素
データは抽象的。人は具体的。可能な限り言い換えましょう。
「ユーザー維持率が15%低下」ではなく
「5万人のユーザーを失いました。スタジアムいっぱいの人が去った選択をしたということです」
「平均注文額が12ドル増加」ではなく
「お客様一人が1品多く買いました。10万件の注文で、新製品ラインを足したようなものです」
人のフレーミングで抽象的な数字が手に取るように伝わります。
技法5:緊張と解放
解決の前に緊張を高めましょう。データプレゼンは結論に飛びがちです。
緊張を高める:
- 問題が悪化していく様子を見せる
- 明らかな答えを複雑にする矛盾データを提示する
- 利害を高める(「このままなら…」)
そして解放:
- すべてを説明する洞察を明かす
- 解決策のインパクトを示す
- 明確さで締める
先の緊張があるから、解放がより満足感を生みます。
一枚のチャートで語るストーリー
プレゼンがすべて長いわけではありません。一点を伝えるために一枚のチャートで十分なときもあります。それでもストーリー構造は役立ちます。
設定:タイトル(何の問いに答えるか)
文脈:サブタイトルや注釈(なぜ重要か)
データ:ビジュアル(証拠)
持ち帰り:注釈やコールアウト(何を結論とするか)
タイトルの進化例:
- 悪い:「地域別Q3売上」
- より良い:「西部地域が成長を牽引」
- 最も良い:「西部地域は40%成長——会社平均の2倍」
タイトル自体がストーリーを語り、チャートがそれを証明します。
よくあるストーリーテリングの失敗
失敗1:サブプロットが多すぎる
一本の主線に絞りましょう。副次的な発見は本編ではなく付録へ。
失敗2:リードの埋没
記者は「リードを埋める」と言います——重要なことをストーリーの奥に隠すこと。データ用語では:洞察の前に20分の背景を聞かせること。
背景が必要なら、フックの後で、前ではありません。
失敗3:敵役がいない
ストーリーには対立が必要です。データプレゼンでは敵役は:
- 競合
- 市場トレンド
- 社内プロセス
- 通説
対抗するものがなければ、ナラティブは平板になります。
失敗4:聴衆を忘れる
どんなに良いストーリーも、聴衆の関心とつながらなければ失敗します。取締役会向けとチーム会議では、同じデータから違うストーリーを語ります。
データストーリーづくりのチェックリスト
プレゼン前:
- 覚えていてほしい一点は何か?
- なぜ気にすべきか?(利害)
- 驚きや興味の要素は何か?
- この情報で何をすべきか?
- チャートを一枚だけ見るとしたら、どれか?
構成のとき:
- オープニングは注意を引くか?
- 各セクションは問いを立て、答えているか?
- 明確な洞察の瞬間があるか?
- 締めはアクションを促しているか?
ストーリーテリングを支えるツール
従来のBIツールは探索用であり、ナラティブ用ではありません。ストーリーを見つけるには優れていますが、語るにはあまり向いていません。
ストーリーテリングには:
- ナラティブの流れをコントロールするプレゼンツール(Keynote、PowerPoint)
- ChartGenのようなAIツールでクリーンで一貫したチャートを素早く生成
- インタラクティブなWebプレゼン用のスクロリーテリングツール
ツールより構造が重要です。基本的なスライドで語る説得力のあるストーリーは、高級ソフトで語る弱いストーリーに勝ります。
最後に
データは自分で語りません。これまでそうだったように。あなたの仕事はデータを見せることではなく、理解を生むことです。
忘れられるプレゼンと記憶に残るプレゼンの違いは、分析の複雑さやチャートの美しさではありません。聴衆を混乱から明確さへ連れていくストーリーがあるかどうかです。
ストーリーから始めましょう。その周りにデータを組み立てましょう。


